利用者が健康的に過ごすために

介護の重要な仕事内容の1つとして、環境管理というものがあります。環境管理とは、温度管理、湿度管理、明るさの管理の3つの柱で成り立っています。日本は春夏秋冬の四季が存在します。それぞれの季節に趣のある良さがあり、楽しめると思います。しかし、四季の温度変化、特に夏と冬の寒暖差は、高齢者の体には大きな負担となることがあり、危険な症状に「ヒートショック」といわれるものがあります。ヒートショックとは、急激な寒暖差により体温調節がうまくできず、血圧の急激な上昇、もしくは下降を引き起こす症状です。ヒートショックを起こすと、脳梗塞や心筋梗塞などの命に関わる症状を引き起こす可能性もあり、慎重に見ていかなくてはなりません。

さらに、介護の必要な利用者は高齢者が多く、高齢になればなるほど体温調節が難しくなるので、より一層の注意が必要です。このような命に関わる症状を引き起こす可能性があることから、3つの柱の中でも温度管理が最重要視されています。一般的に適切な温度とは冷暖房で調整して、冬場が20℃~22℃、夏場が24℃~28℃といわれています。冬場暖房のついた部屋からトイレや浴室に行くときに、ヒートショックを起こす可能性が高いです。他にも寒暖差が10℃以上ある場合は気をつけるのが良いとされています。このように、適切な温度管理を行い、利用者に健康で楽しく過ごしてもらえるかを考えることは、介護現場でやりがいのある仕事の1つといえるでしょう。